東京・雄武会

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Chigusaのワケ知りお洗濯


 著者紹介   消費生活アドバイザー・Kajiリスト  工藤 千草 (「東京・雄武会」幹事 )

〜履歴〜
 1951年 北海道雄武町北浜町に生まれる。
      小学校5年生で埼玉県浦和市(現さいたま市)に転居。
 1987年 アパレルメーカー小杉産業を経て、ライオン株式会社入社。
      家庭科学研究所にて教育界、行政講座での講師、マスコミ対応などの啓発普及を行う。
 2012年 退社。 Kajiリストとして独立。

  著書:衣生活の科学(建帛社) 消費生活アドバイザー受験合格対策(丸善)
  協力:暮らしまる洗い!コツと基本120(扶桑社)

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 簡単にきれい! ワイシャツのアイロンがけ  3月版
 
ワイシャツのアイロンがけは、手間をかけてもきれいに仕上がらないからか、皆さんが一番嫌いな家事作業の1つです。シワになっちゃう・・・、時間がかかる・・・、その原因はアイロンがけの手順!手順を覚えると、きれいにアイロンがかけられます。今回は、ワイシャツのアイロンがけの手順を紹介しましょう。


■ アイロンをかける前に知っておきたい知識 ■
 ワイシャツのアイロンがけに限らず、アイロンをきれいにかけるには3つのポイントがあります。

ポイント1【温度】
素材にあった温度でかけます。
衣類のアイロン温度表示(写真左)とアイロンの表示(写真右)を確認して、適切な温度を設定します。高すぎると、繊維を傷めてしまいます。



ポイント2【水分】
素材によって、水分の与え方を工夫します。
綿100%の場合は、霧吹きで水分を布表面に十分与えると、繊維内に浸み込んで、シワが伸びやすくなります。スチームは水蒸気が布を通過して内部に浸み込まないので、適してはいません。ただし、綿とポリエステルの混紡品はスチームでも良いでしょう。
毛の場合は、スチームを使います。水蒸気が毛の表面から内部に入って繊維をふっくらさせます。ニットはアイロンを浮かして押しつぶさないようにします。毛のスラックスなどのラインは、スチームは止めて、霧吹きをかけてドライでかけます。スチームがいつまでも当たっていると、ラインが付きにくいからです。

ポイント3【整え方】
形を整えてからアイロンをかけます。
アイロン台の上に平らに置きます。そして、かける部分の表面のシワを手で伸ばします。アイロンでシワを伸ばしながら・・・は駄目。また、アイロンを持たない方の手は、布地を押さえる、引っ張る等の補助をします。


■ ワイシャツのアイロンがけ手順 ■
 手順に従ってかけると無駄が無く、シワも寄りにくくなります。次の手順に従って、効率良くかけましょう。あれこれひっくり返したり、同じところを往復しない等の工夫をした手順になっています。

【手順】@右のカフスと袖→A衿の裏→B左カフスと袖→C衿の表→Dヨーク→E身頃

*左利きの方は、「左カフスと袖」から始めた方がやりやすいかもしれません。
*Cヨークは省略して、D身頃をかけるときに一緒にかければ簡略化できます。

@右カフスと右袖
アイロン台の上にワイシャツの背中を上にして置き、カフスの裏をさっとかけます。



カフスの表をかけます。シワが寄らないように、端から中央に向けてかけます。
袖のボタンを留める部分は、開口部の前後を合わせて、上からアイロンで押さえます。



袖をかけます。袖下の縫い代部を整えて、伸びないように注意してかけます。袖全体をかけてから、アイロンが身頃にややはみ出るように置いて、袖付け部をかけます。



A衿の裏
衿をアイロン台に乗せ、袖をかけた流れで、衿裏をかけます。衿の形を整えるためにやや引っ張りながらかけますが、シワが寄っても目につかない部分なので気にしないで良いでしょう。



B左カフスと左袖
アイロン台にワイシャツの前身頃部を上に向けて置き、右カフス・右袖と同様にかけます。

C衿の表
衿をアイロン台に乗せ、袖からの流れで衿の表をかけます。表衿は人目につきやすいので、衿の端にシワが寄らないように、外側から衿付け根部に向けてアイロンを動かして行きます。布のたるみを衿の付け根部に集め、端にシワが寄るのを防ぎます。



Dヨーク
ヨークとは、衿の回りにある肩部分の布のことです。写真のように、後ろ身頃の背中部分で折り曲げて衿を立ててから、ヨーク部分を平らに整えます。アイロンをかけたときに折シワを付けないために、背中の折り曲げた部分はアイロン台から外しておきます。衿に沿ってアイロンをぐるっと回して、ポケット口の上あたりまでかけます。ヨーク部分のアイロンがけは省略して、身頃部をかけるときに一緒にかけても良いでしょう。



E身頃
前身頃と後ろ身頃は重ねたままかけます。まず、脇の縫い目を合わせて押さえます。次に、前立をかけ、最後に、裾からポケットまでかけます。ポケットの上部分は、「Cヨーク」の時にすでにアイロンがかかっています。
「Cヨーク」のアイロンがけを省略した場合は、重ねたままで、ヨーク部分も一緒にかけます。*肩部分にアイロンがけのラインが残ってしまいます。



ポケットは、シワが寄らないように両側から中央に向けてかけ、たるみを中央に寄せます。



背中にタックがある場合は、左手で肩部を押さえ、右手で後ろ身頃の裾をピッピッと引っ張って、タックを寄せます。そのまま、表身頃の上からアイロンでタックを押さえます。



後ろ身頃をかける。前身頃と重なった後ろ身頃の部分はアイロンがかかっていますが、中央部は、アイロンがけが残ってしまうため、その部分だけかけて終了です。



手順をマスターしたら、ぐんと早くアイロンが掛けられますよ。

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 冬に活躍した毛布を洗ってみましょう   2月版
 
毛布は冬の必需品ですね。毎晩お世話になりますので、季節が終わったらお洗濯は外せません。水洗い可マークがあったら、自分で洗ってみてはいかがでしょう。洗濯機で洗うのもよし、浴槽で足踏み洗いをするのもよし。コツをつかめばきれいに洗えますよ。


■ 毛布の表示を確認して ■
 手洗いマークや、写真のように洗濯機マークがある毛布なら家の洗濯機で洗うことができます。でも、水洗い不可マークがあったら、無理に家で洗わずに、クリーニング店にお願いしましょう。

■ 洗う前に"前処理"をする ■
 まず、どこに汚れがあるかを確認しましょう。一般的に、顔や口元が当たる衿元の汚れがひどいと思います。汚れている部分には、写真のように衣類用の中性洗剤の原液を付けて、キャップの角か洗濯ブラシの背のような硬い物でたたいて、汚れを落とします。液体酸素系漂白剤を付けても良いでしょう。汚れが沢山あるとちょっと大変ですが、この作業をしっかりしておくと、仕上がりがきれいになります。揉むと、毛羽だったり収縮したりする素材があるので注意します。

■ 洗濯機には畳んで入れる ■
 洗濯機で洗う場合は、大物洗いコースや毛布洗いコースで洗いますが、どの程度の重さの毛布が洗えるかを確認し、指定の重さ以内の毛布に留めます。
 汚れの前処理が終わった毛布は、毛布用の洗濯ネットに入れましょう。そのまま洗濯機に入れるよりも洗剤液の中で動きやすく、洗いむらが少なくなります。ただし、“洗濯ネット不要”などの指示がある場合はそれに従います。毛布用洗濯ネットの形は円柱型と長方形の二通りですので形に合わせて畳んで入れます。
 まず、毛布を長手方向にジグザグに屏風だたみに畳みましょう。


 円柱型のネットの場合は、屏風だたみにした毛布を端からくるくる巻いて入れます。



 長方形のネットには、さらに横手方向にジグザクに畳んで入れます。



 洗濯ネットに入れられる毛布は1枚です。
洗剤は衣類用の中性洗剤を使い、柔軟剤もセットしておくと良いでしょう。


■ 洗濯機では洗えない大型毛布を洗う ■
 洗濯機では大きすぎて洗えない毛布は、次のように浴槽で洗ってみましょう。
@前処理が終わった毛布を浴槽の底の大きさよりもやや小さめにたたみます。
A浴槽に栓をして、畳んだ毛布を平らに置き、毛布が浸る程度の水と衣類用の中性洗剤をキャップに1.5杯程度入れます(水の量によって加減します)。
※水を入れすぎると浮き上がって洗いにくいので、入れすぎないようにしましょう。
B洗剤液に浸ったら、端から順に足踏みして全体を洗いします。3回程度繰り返しましょう。
※滑って転ぶ恐れがあるため、何かにしっかりつかまりながら行います。
C浴槽の栓を抜いて洗剤液を排出します。足で端から踏んで洗剤液を絞り出します。
Dシャワーを端からかけて、足踏みしながらすすぎます。泡があまり出なくなったらすすぎは完了。
E足で踏んでできるだけ水を押し出します。そのまま、栓を抜いた浴槽にしばらく置いて水をある程度抜きます。
Fその後、毛布を持ち上げてエプロン部(浴槽の枠部分)に30分程度掛けておきます。こうすると、水が流れ出て毛布は軽くなります。
※水が垂れ落ちるので、干すときは容器に入れて持ち運びます。


■ 早く乾く工夫をして干す ■
 毛布は大きくて厚く乾きにくいので、写真のように物干ざお2本に渡してかけ、毛布が重ならないように工夫します。素材が毛の場合は、変色しやすいので陰干しにします。
 濡れているうちに洋服ブラシで毛羽を整えると毛並みが整って仕上がりがきれいになります。



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 ダウンジャケットを洗うコツ   1月版
 
寒い冬、ダウンジャケットは欠かせない防寒着ですね。使用頻度が高くなると袖口や衿などの汚れが気になります。最近は、家庭で洗えるダウンジャケットも販売されていますので、今回は、ダウンジャケットを上手に洗うコツをご紹介しましょう。


■ 洗えるかどうかの判断 ■
 ダウンジャケットの裏に付いている洗濯絵表示を確認しましょう。手洗いや洗濯機洗いなどの水洗い可のマークがあれば、家庭で洗うことができます。また、水洗いができない絵表示のものでも、表地や裏地がポリエステルやナイロンなら洗えるものがあります。普段使用のダウンジャケットなどで家庭洗濯にトライしてみたい方は洗ってみても良いでしょう。ちなみに、今回、洗い方をご紹介しているダウンジャケットは、写真のように水洗いができないマークが付いているものですが、表地や裏地がポリエステルとナイロンのもので、シンプルなデザインのものです。
 フードや襟回りに付いているファーは洗えませんので、取り外しておきます。ファーはふるってホコリをはたき、ブラッシングしましょう。なお、取り外せないものは家庭では洗えません。

■ 洗濯のコツは丁寧な “前処理” ■
 全体を洗う前に、目立つ汚れを事前に落とす”前処理“をします。汚れやすい部分は、写真のような袖口、袖下、衿、ポケット回り、胸部分、裾裏などですが、全体をしっかり確認しましょう。
 前処理には、洗濯ブラシとおしゃれ着用中性洗剤を濃いめに溶かした洗剤液を用います。洗剤液を洗濯ブラシ付けて、汚れている部分を擦ります。洗濯ブラシは力を入れて強く押し付けたり、乱暴に擦すったりせずに、毛先が布地の表面に軽く当たる程度に、ささっと軽く動かして使います。袖口などは着用で擦り切れているかもしれませんので、状態を見ながら行いましょう。また、朱子織などつやのある布地の場合は、毛羽立ちなどが生じる恐れがあるので、さらに軽く擦ります。手で揉んだり、強く折り曲げたりすると、中に入っているダウンが傷みますので、厳禁です。
 ちょっと手間がかかりますが、この”前処理“を行うことが、きれいに洗うコツなのです。

■ 洗濯機の中で押し洗い ■
 前処理が終わったら、全体を洗いますが、ダウンジャケットは洗剤液の中で浮いてしまう性質があり、洗濯機に任せるのでは上手く洗うことができません。洗濯機を回さずに、洗濯槽を桶の代わりにして、手で押し洗いをすることをお勧めします。30〜40L程度の水を溜め、おしゃれ着用中性洗剤を適量溶かし、ダウンジャケットを入れて、写真のようにまんべんなく全体を40〜50回ほど手で押します。揉んだり、強く押し付けるとダウンを傷めるのでしないようにしましょう。
 洗いが終わったら、1分間程度脱水し、きれいな水を入れて、“洗う”方法と同じように手で押してすすぎます。水を取り替えて合計2回すすぎを行い、すすぎとすすぎの間にも脱水を入れて、最後に1分間の脱水を行います。なお、ダウンジャケットの布地は中身のダウンの飛び出しを防ぐために、とても緻密な生地でできていますので、脱水時に水が抜けずに洗濯機がガタつくことがあります。このときは、洗濯機での脱水は止め、洗面台などで押し絞りをします。
 手洗いや洗濯機マークのある水洗い可のダウンジャケットは、洗剤液に沈みやすく、布地の水抜けが良く作られているため、“前処理”した後、洗濯機の手洗いコースなどで楽に洗えます。

■ 干し方のコツはたたいてほぐすこと ■
 脱水が終わったらすぐに、洗濯槽から取り出して、肩や裾を持って振りさばいて中のダウンの片寄りを分散させます。ただ、濡れているとダウンはなかなか分散されないので、軽く行う程度で充分です。風通しの良い日陰に干します。
 半分ほど乾燥してきたら、写真のように両方の手のひらに挟んでポンポンと叩きながら中身のダウンをほぐします。ダウンはパックに小分けされて入っていますので、丁寧に少しずつ行いましょう。脱水後はペッタとしていますが、乾燥とともにふっくらしてきますので、乾燥するまでに2〜3回程度はほぐす作業を行いましょう。裾や肩、脇などを持って振りさばいても良いでしょう。
 乾燥したかどうかの目安は、両手で押さえても手が濡れなくなることですが、2日間くらいはかかります。念のために、乾燥後も1日間は室内に放置して十分に湿気を飛ばします。
 タンブラー乾燥機で乾燥する場合は、表面の生地に熱に弱いポリエステルやナイロンを使っているので、必ず乾燥機の温度を弱にし、乾燥が終わったらすぐに取り出します。
 洗濯後は写真のようにふっくらきれいになります。

                          ダウンジャケットの中身
 ダウンジャケットの中に入っているのは水鳥のダウン(羽毛)やフェザー(羽根)です。ダウンはタンポポの綿毛のような形をしているため、空気を沢山含み、そのため保温性がとてもあります。ダウンの含有量が多いものが高品質になります。
 使用していると、折れたりちぎれたりして、嵩が減ってしまい、ふっくら感が低下しますので、洗濯する場合も、揉んだり、折り曲げたり、強力な洗濯コースを使うなどの乱暴な取り扱いは避けます。たんぱく質が成分なので、傷めないようにおしゃれ着用中性洗剤を使い、日陰で干して、紫外線による劣化を防ぎます。

   <ダウン>     <フェザー>


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